Claude Desktopアプリを普段使いしている人なら、一度は「Claudeにローカルファイルを直接読ませたい」「データベースの中身をClaudeに問い合わせたい」と思ったことがあるだろう。MCP(Model Context Protocol)を導入すれば、それが実現する。
筆者はMCPを日常業務で使い始めて約半年になるが、体感として作業効率が2〜3倍になった。特に「ファイルを手動でコピペしてClaudeに渡す」というステップがゼロになった効果は大きい。
この記事では、Claude DesktopにMCPサーバーを追加する具体的な手順を、macOSとWindowsの両方について解説する。MCPの概念についてはMCP 2026年最新ガイドで詳しく書いているので、「そもそもMCPとは何か」から知りたい方はそちらを先に読んでほしい。
前提条件——何が必要か
- Claude Desktop: 最新版をインストール済みであること(claude.ai/download からダウンロード)
- Claude Proプラン以上: MCP機能はProプラン(月額$20)以上で利用可能
- Node.js v18以上: MCPサーバーの多くがNode.jsで動作する(
node -vで確認) - Python 3.10以上: Python製MCPサーバーを使う場合に必要(
python3 --versionで確認)
設定ファイルの場所と基本構造
Claude DesktopのMCP設定は、JSONファイルで管理する。ファイルの場所はOSによって異なる。
macOSの場合
~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
Windowsの場合
%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
このファイルが存在しない場合は、新規作成する。基本構造は以下のとおりだ。
{
"mcpServers": {
"サーバー名": {
"command": "実行コマンド",
"args": ["引数1", "引数2"],
"env": {
"環境変数名": "値"
}
}
}
}
mcpServers オブジェクトの中に、使いたいMCPサーバーの設定を追加していく。複数のサーバーを同時に登録できる。
実践1: ファイルシステムMCPサーバーの導入
最も基本的で実用性の高いMCPサーバーが、ファイルシステムアクセスを提供する @modelcontextprotocol/server-filesystem だ。これを追加すると、Claudeがローカルファイルの読み書きを直接実行できるようになる。
設定手順
claude_desktop_config.json に以下を追加する。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-filesystem",
"/Users/yourname/Documents",
"/Users/yourname/Projects"
]
}
}
}
args の最後に並んでいるパスが、Claudeにアクセスを許可するディレクトリだ。セキュリティ上、必要なディレクトリだけを指定する。ホームディレクトリ全体を指定するのは避けたほうがいい。
動作確認
- 設定ファイルを保存
- Claude Desktopを再起動(完全に終了してから再度起動)
- チャット入力欄の左下に工具アイコン(ハンマーマーク)が表示されていれば、MCPサーバーが認識されている
- Claudeに「Documentsフォルダの中身を一覧表示して」と指示してみる
- ツール使用の許可ダイアログが表示されるので、「Allow」をクリック
正常に動作すれば、指定ディレクトリ内のファイル一覧がClaudeの回答に表示される。
実践2: GitHub MCPサーバーの導入
開発者にとって特に便利なのが、GitHub連携のMCPサーバーだ。ClaudeがGitHubリポジトリの操作(Issue作成、PR確認、コードレビュー等)を直接実行できるようになる。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/Users/yourname/Projects"]
},
"github": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"],
"env": {
"GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN": "ghp_xxxxxxxxxxxx"
}
}
}
}
GitHubのPersonal Access Token(PAT)は、GitHub Settings → Developer settings → Personal access tokens → Fine-grained tokens から発行する。必要なパーミッションは repo(リポジトリの読み書き)と issues(Issue操作)だ。
セキュリティ上の注意: PATは設定ファイルに平文で記載される。このファイルの閲覧権限には注意すること。
実践3: データベースMCPサーバーの導入
PostgreSQLやSQLiteのデータベースにClaudeが直接クエリを投げられるようにするMCPサーバーもある。
{
"mcpServers": {
"sqlite": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-sqlite", "/path/to/database.db"]
}
}
}
これを使うと、「先月の売上データを集計して」「特定条件に合うレコードを抽出して」といった自然言語の指示で、ClaudeがSQLを生成・実行してくれる。
トラブルシューティング
MCPサーバーが認識されない
- JSON構文エラー: 設定ファイルのJSON構文が正しいか確認する。カンマの過不足が多い
- 再起動が不十分: Claude Desktopのプロセスが完全に終了していない場合がある。タスクマネージャー(macOSはActivity Monitor)で確認
- Node.jsのパス:
npxコマンドが見つからない場合、commandにフルパスを指定する(例:/usr/local/bin/npx)
「Tool use not allowed」エラー
ClaudeのプランがFree(無料)の場合、MCP機能は使えない。Pro(月額$20)以上にアップグレードする必要がある。
特定のツールだけ動かない
MCPサーバーのログを確認する。macOSでは以下のコマンドでログを表示できる。
tail -f ~/Library/Logs/Claude/mcp*.log
エラーメッセージが出ている場合は、MCPサーバーの依存パッケージが正しくインストールされていない可能性が高い。
自作MCPサーバーへの発展
既存のMCPサーバーだけでなく、独自のMCPサーバーを自作することもできる。たとえば社内システムのAPIをMCPサーバーとしてラップすれば、Claudeが直接社内データを参照できるようになる。
MCPサーバーの自作方法については、AIエージェント開発入門:MCPサーバーの作り方で、Python数十行で実装する方法を解説している。
まとめ——MCPで変わるClaudeの使い方
MCPを導入すると、Claudeとの会話が「テキストのやりとり」から「実際のタスク実行」に変わる。ファイルの中身をコピペする必要がなくなり、データベースへのクエリもClaudeに任せられる。
導入の手順を改めて整理する。
claude_desktop_config.jsonを作成または編集- 使いたいMCPサーバーの設定を追加
- Claude Desktopを再起動
- ツールアイコンが表示されることを確認
- 自然言語で指示を出してテスト
まずはファイルシステムMCPサーバーから始めてみることを勧める。設定は5分で終わり、すぐに効果を実感できる。